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ファッション中毒

ちょいと今回のGW(ゴールデン・ウイークというよりもむしろ我が家にとってはゴールデン・デイズぐらいの期間ですがね)は里帰りを諸々の事情で先送りし、その代わりに温泉へ行くことにしましたよ。

場所は箱根。ロマンスカーに乗って、あっという間に山間の温泉地へ行けるんですもんねー。

私は初めての箱根だったのですが、とにかく温泉に入りたい&のんびりゆったりまったり、本を読んでだらだらしたいという目的がはっきりしていたので、一泊二日ですしそんなに時間の余裕もなかったので駅に着くや否や観光と呼べるものは資料館に箱根の歴史をちょっとかじりに行ったくらいでもうそこそこに、旅館へ着いたらソッコー私は本を拡げ、だんなさまは大欲情・・・ではなく大浴場へ。

お部屋の窓は一面もこもことした新緑の大群が広がり、目線を下に移すと川の流れる音しかしない。
いい時間です。



と、しかしながらその時に私が読んでいた本はとてもそんな情景には似ても似つかわしくないもの。

タイトルはずばりこれですファッション中毒

少し前にネットサーフィンしてたらふと見つけた本なのですが、これは面白そうだと思い軽い気持ちでぽちっとしてしまったら。


届いてみるとその本の分厚さに一瞬たじろぎましたが。


アメリカのファッションジャーナリストが書いた本で、初版は2004年にも関わらず内容は今読んでもなんら違和感がないものでした。
さらに興味深かったのはこの本が書かれた時期がアメリカでは2001年9月11日の同時多発テロが起こった後のことであり、著者はそれを踏まえたうえでさらに洞察を深めている部分が、この日本では2011年の3月11日のあの大地震を経験した後の事と不思議にリンクしていたこと。
アメリカでの2001年9月11日と、日本での2011年3月11日、起こったことの内容は違えどそれにより多くの人に与えたショックがまた多くの人の価値観を覆すことにもつながったのだ、という事は共通していたんですね。だからこそ、このタイミングで読んだことにも何か意味があったのかな、と思えました。

詳しくは上記にリンクを張ったこの本の内容紹介やレビューを見て頂くとして、ここでは個人的感想を。


まあ私自身はアパレル業界にどっぷり浸かっていたわけではなく、ちょっとややこしいことを言えば私がいたバッグ業界というのはアパレル業界とはまた違うのですが、バッグオンリーの業界と、バッグも含むアパレルとはまた違う、といえばいいのかな。うーむ伝わってますかね?このニュアンス。
しかしそうはいっても一般的にはバッグだってファッション業界のうちに括られますからね。バッグも言ってしまえばファッションの一部な訳です。


それに私がこの業界に入ったきっかけも、元々はお洋服を含め、ファッションというものにとても興味と関心があったから。昔から服が大好きでしたし、出費のメインは服や靴やバッグ。ファッション雑誌も欠かさず買っていた時期もあった。服を素敵に着たくて、だからそのために自分の体型も常に気にしていたし許せなかったし痩せたいと思っていたし、そんな思いが強すぎて色々と支障をきたし、摂食障害を患い精神科に通院もしていた時期がありました。


「ファッション・ヴィクテム」という言葉を知ったのは随分昔だったと思います。高校生とかその位の頃。
当時読んでいた本にその言葉とその意味が載っていて、それを読んだ私は「私はファッション・ヴィクテムにだけはなりたくない」と強く思ったものですが(だからこそこんなんになっちゃったのかも)、今回のこの本はまた、その思いを再燃させる内容でした。しかもより社会的な問題とも絡め合いながら、ファッション業界の華やかなイメージとはかけ離れたそこに潜む深くて悩ましいさまざまな闇の部分にスポットを当てています。

私自身もバッグという限られたアイテムの業界ではあってもやはり同じように底辺に流れる問題には常にぶち当たってきたし、それに対するジレンマとの戦いでした。作る側としての思いと、それを世に出す側としての思いのギャップ。実際に手を動かして作る技術を持つ人はあるところでは「職人」などという言葉で持て囃され、賞賛されるにもかかわらず一方では「人件費」「工賃」という言葉にとって代わり、そこに払われる報酬は真っ先に削られるべきもののリストに上がってしまう。
毎シーズン、春夏と秋冬の年に二回、もしくは三回展示会を開き、そのために新型を何型もそろえては廃版になる型も何型も出てくる。これは良い形だなと思い入れのある型でも、値段との折り合いがつかずにその展示会で注文が入らなければその型はお蔵入り。一度の注文で生産しても、追加が来なければもうそれはおしまい。


なんでこんなことやってんだろう、と空しくなることも一度や二度ではありませんでした。

・・・まあ、それを消費者側のせいにばかりする気はないです。勿論作る側の責任も多々あります。良いものを作るのは作る側の責任であり、これは良いものなんだからとモノの上に胡坐をかいてしまったらいけないわけで。

値段に見合ったモノを作らなければいけないのは作る側の責任。より良いモノを作るために、その為の技術の鍛錬も当然必要です。

ただしこれまでの私の実感として、今の世の資本主義を全く否定する気はないけれど、やっぱりどこか行き過ぎている感は否めない。

そんなことをこの本を読みながら思い出してました。

ただしこの本はそれだけではなく他分野に渡るファッション業界の「闇」を浮き彫りにしているので、むしろそういう業界に身を置かない純粋に消費者の立場にある人が読むべき内容なのではないでしょうか。

前述しましたがファッションに関心がありすぎて、自分の身体を壊してまでその「作られた」イメージにより自分を近づけようとしていたのはどうやら私だけではなかったらしく、それは社会問題にまで(それも国際的な)発展してしまっていた事なども、この本では取り上げられています。

ファッションブランドとメディアとの関係、デザイナーとセレブの関係、その裏の事情。

とにかく面白かったし、よくぞこういう本が出てきてくれたもんだなーと思わずにはいられない内容でしたね。これは義務教育でも是非取り上げてほしいくらい。ファッションに興味がある人、芸能人やモデルやセレブに憧れてそれと似たようなものになりたくてついついお金を払ってしまう人、ファッション雑誌を読み漁っては流行に敏感にならずにいられない人、ただただ画面上や写真上のオードリー・ヘップバーンの美しさに手放しで賞賛してしまう人、デザイナーに憧れる人、闇雲にただ痩せたいとダイエットする人、とにかくファッションや「美」に少しでも興味がある人はこれは読んでおくべき一冊なのかなと。

特に「女性」の皆様。

物理的女子ではなくとも、女性というものを理解したい方にもおすすめです。


本当の「美」とはいったい何なのか、この世の中はどういうもので動いているのか、人間とは・・・など、物事を多方面から見ることの大切さを教えてくれます。

もっと早くこの本と出会いたかった。でも、これもタイミングなのかもな。そうだよな。って最初に書いてるじゃん。


ま、ファッション業界に限られたことではないですが、光の当たる物事には闇がつきものです。今は色んな力によって出来る限りその「闇」の部分に蓋をしよう、というのが暗黙の了解みたいになってますがね、これからはそんな訳にはいかないでしょう。





この一泊二日で私とだんなさまは計4回ずつ温泉に入り、大満足で我が家へ帰ってまいりました。もっと入っとけばよかったかな・・・


「はこね」がひらがなっちゅーところに萌え。

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ami et soi

Author:ami et soi
小さい頃からバッグが大好きで、とうとう自分でも作るようになってしまいました。

 でも今は、バッグ作りを通して伝えたいことがあります。
 いろいろな想いを、ここに綴っていこうと。

ami et soi  「ともだちとわたし」
並べかえると、わたしのなまえ。

☆作品をちょこちょこ作っていますので「カテゴリ」の「ami et soiの作品」のエントリをご覧くださいませ。オーダーもやります。作品の色違い等も受けられます。

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