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「持つもの」から「作るもの」へ

何の話かといいますと、ええもちろんバッグの話ですね。

今をさかのぼること十数年前、仙台のバッグ店で販売の仕事をしていた頃、よく接客中「重たいバッグは肩が凝っちゃって・・・。」というお客様の声を聞く機会がありました。

その頃の私はありがたいことに「肩凝り」というものとは全く無縁の体でして、むしろ凝っている人たちの肩をマッサージするのが得意だったりするぐらい、「肩が凝っている」当事者ではありませんでした。なのでその痛みや苦しみを共有することが出来ず、でも重度の肩凝りの人の肩はもんでいるとガッチガチに硬い。

「あたしは肩凝りなったことないから分からないけど、あれだけガチガチならきっとひどいんだね~大変だね~」

くらいにしか思えなかったのです。

なので肩凝りなのであろうと思われる方々の「とにかく肩に負担がかからない軽いバッグがいい」「肩に食い込まないショルダーがいい」という諸々の希望を耳にするたび、なかなか共感することは難しく、でもそういうご意見は決して少なくはないのだな、という印象でした。

その頃の私自身はバッグに対してどういう希望があったのかといえば、サイズ、重さなどは2の次で、革が好きな革かどうか、デザインがどうか、色が好みか、という事しか考えていなかったと思います。
もちろん元々バッグが好きだったから、まあまあ結構な数を所有していたと思います。

にも関わらず、持っていた海外ブランド物のバッグといえばなぜかグッチのものが唯一でしたが、それももう手元にはありません。(うん、あれは若気の至りってことにしときましょう)

そうしてバッグ店からメーカーへと移り、実際に自分がバッグを作る仕事をするようになると。


これもある意味職業病なのか、はたまた単なる年のせいか、なんと自分自身が肩凝りを患うようになってしまいまして。

当時他人事のように聞いていた「重いバッグはもう持てないわー」というセリフを、まさか自分自身が発することになるとはいったい誰が予測できたでしょう。

あの時心の中で「ふーん」とか軽い気持ちで聞いてしまってごめんなさい。今ならもう、本当に心の底から「わーかりますよーお客様!!!!!ほんっとに重たいバッグ持つのは辛いですよね。痛いですよね。その場に投げ出してしまいたくなりますよね。一緒にいる人に持ってもらいたいですよね。てか空気読んで持ってくれよって感じですよね~!!」ぐらいの受け答えができたのに。

・・いやそこまでではなくてもいいんですが、まあこの肩凝りの辛さはけっこうジワジワくるものなんです。

元々バッグの中身もムダに量が多かったりして、よく母に「何が入ってんのこのバッグの中!!重たいこと!こんな重たいバッグ持ってたら病気になるよ」と度々警告されていたものですが、そんな母のおっしゃる通りのことになっているわけで、これではイカンとできるだけ荷物の量も減らしながら工夫していたわけですが。



最近思ったんですね。「もうバッグ持ちたくない。アタシ手ぶらで歩きたい。」とまで。



ねー。バッグ作りとしてこの意見はどうなんでしょうか。

しかしながら、自分としてはちょっとこの感覚が気に入ってもいるんですね。

なんだかそこにバッグとの良い距離感みたいなものを感じるんですよ。


よく、「本当に好きなことは仕事にしない方がいい。仕事にしてしまうとそれまで好きだったのに嫌になってしまうこともありうるから、趣味で長く続ける方がいい。」という意見を耳にすることがあるけれど、私の場合はそこのところが不思議とうまくいっているのです。

確かにやっているうちに嫌になってしまうこともあるんですよね。「あーもうバッグは見たくない、見たら吐き気がしてくるー」とかね。
ただ「好き」でいた頃は、こんな余計なことまで知らずに済んだのに、よりよく知ろうと思って首を突っ込んでしまったら嫌なところが見えてしまってもううんざり・・・なんていう。

ん?なんかこれ恋愛と結婚の違いにも共通するところがあるような。

「好きなもの」を「ひと」にしてしまえば同じことが言えますね。まあそれは置いといて。

でも、嫌な面が見えたとしても、私はバッグの何が好きなんだろ、なんであんなに小さいころからバッグに執着してたんだろ、とその原点に立ち返ってもう一度考えてみたりもしたんです。すると私はバッグそのものというより、その中に当時自分の宝物(ガラクタともいう)を全部入れて持ち歩く、その行為こそが好きだったんだな、ということが分かったり。でそこからああなって、こうなって…今の自分に至るんだと再確認する作業は割と定期的にしてきたような気がします。



そうしていくうちに「やっぱり好きだ」と。
恋人として好きという感覚よりも、それは家族のような感覚での「好き」になっていくのですね。そしてその「好き」はとても自分にとって心地の良いものにもなっていく。

最近ようやくここまで来ました。


え、もちろんバッグの話ですよ。

時の移り変わりと共にそれに対する思いも少しずつ変わっていきますが、自分が好きなツボをおさえてるもの、良いと思ったものを初めて目にした時のあのトキメキ的「あ!」という感覚は未だ私の中では無くなっていないようです。



今年もあと一ヶ月。

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まるで自分を包むようなもの

にゃるほどー。宝物ね。
私の場合はバッグの中身は自分の分身みたいなものだから
どうでもいい合皮とかチャチな素材で包まれては
たまったもんじゃない、と思うから
布製だろうが革製だろうが、デザイン、色、素材の質には
こだわりたいと思ってる。
自分がケータイだったら、財布だったら、カードケースだったら
どんなバッグにどんな風におさめて持ち歩いてほしいかって
考えると自ずと持ちたいバッグの要素が見えてくるかも。

Re: まるで自分を包むようなもの

分身。それも確かにそう。
持ち物や身につけるものは、ある意味その人の価値観やものの考え方を如実に物語っていると思うからねー。

作り出すものもまた同じであるけど、そういうこだわりを持った人に気に入って頂けるようなバッグを作れたらわたしゃシアワセですよ。笑


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ami et soi

Author:ami et soi
小さい頃からバッグが大好きで、とうとう自分でも作るようになってしまいました。

 でも今は、バッグ作りを通して伝えたいことがあります。
 いろいろな想いを、ここに綴っていこうと。

ami et soi  「ともだちとわたし」
並べかえると、わたしのなまえ。

☆作品をちょこちょこ作っていますので「カテゴリ」の「ami et soiの作品」のエントリをご覧くださいませ。オーダーもやります。作品の色違い等も受けられます。

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